【9月1日 AFP】(更新)エジプト・ギザの大ピラミッド(Great pyramid of Giza)近くの発掘現場で採取した木材1点の調査により、古代エジプト人が船の部品に金属を使用していたことが初めて明らかになった。考古学者らが8月31日、発表した。

 船体の一部だったこの木材からは、円形とU字型の金具が見つかった。この船は、大ピラミッドの脇に埋められていたクフ王(King Khufu)の大型木製船「太陽の船(Solar Boat)」と同じ年に発見された。

 王の埋葬室に隣接した石坑の中に埋められたこれらの船は、王の葬列に使用された可能性がある。他方で、死後の世界で王を運ぶために造られたとするものもある。

 木材は全長8メートル、幅40センチで、4センチの厚みがある。

 古代エジプト造船の専門家、エジプト考古省のモハメド・ムスタファ・アブデルメゲド(Mohamed Mostafa Abdel-Megeed)氏は、カイロ(Cairo)で開かれた記者会見の合間にAFPの取材に応じ、同国全土で発見されている古代船からは「この船のように、そのフレームに金属製の部品が使われている例はこれまで確認されていない」と語った。

 日本のエジプト学者の吉村作治(Sakuji Yoshimura)氏によると、U字型の金具は「船のかいを取り付けるのに、木と木の間の摩擦を防ぐために」使われたのだという。

 ギリシャ名「ケオプス(Cheops)」としても知られるクフ王の大ピラミッドは、3つあるギザのピラミッドの中で最大のもので、4500年以上前に君臨したクフ王の墓が収容されている。(c)AFP