【8月31日 AFP】シンガポール政府は30日、国内のジカウイルス感染者が82人に急増したと発表した。ジカ熱の拡大に歯止めをかけるべく、同ウイルスを媒介する蚊の駆除作業を進めている。

 保健省と国家環境庁は、新たな国内感染者26人を確認。うち大多数は、東郊のアルジュニード(Aljunied)地区付近で感染したとみられる。これに先立って感染が確認された患者も同地区に集中していた。

 ジカウイルスはこれまでに、ブラジルをはじめとする58か国で検出されている。同ウイルスに感染しても、通常は発熱や発疹といった軽微な症状しか出ない。だが妊婦が感染した場合は、新生児が脳と頭部が異常に小さい状態で生まれる小頭症を引き起こす恐れがある。

 国家環境庁は30日までに、感染が集中している地区の6000世帯のうち5000世帯を見回り、蚊が繁殖しかねない39か所で駆除作業を行った。

 自宅敷地内で蚊の産卵場所が見つかった住民には、最高で5000シンガポールドル(約38万円)の罰金が科されることもあるという。(c)AFP