【8月29日 AFP】ナイジェリアのムハンマド・ブハリ(Muhammadu Buhari)大統領は28日、同国のイスラム過激派組織ボコ・ハラム(Boko Haram)の指導者とされてきたアブバカル・シェカウ(Abubakar Shekau)容疑者は「負傷した」と確認するとともに、組織から追い出されたとの見方を示した。その上で、2014年に北東部チボク(Chibok)でボコ・ハラムによって拉致された女子生徒218人の解放に向けて交渉するため、「正真正銘の指導者と話し合う用意がある」と表明した。

 これに先立ちナイジェリア軍は23日、森林地帯にあるボコ・ハラムの拠点への空爆によってシェカウ容疑者に重傷を負わせたと発表していたが、同容疑者の状況を確認する証拠などについては明らかにしていなかった。

 ブハリ大統領は訪問先のケニアの首都ナイロビ(Nairobi)から出した声明で「ナイジェリア空軍の空爆で彼(シェカウ容疑者)が負傷したことが分かった」と述べ、同容疑者を負傷させたとする軍の主張に初めて言及した。またボコ・ハラムの現状について、掌握している領域はなく、小さなグループに分裂して、狙いやすい目標を攻撃しているとの認識を示した。

 ブハリ大統領はさらに、シェカウ容疑者が組織から「追い出された」とも指摘。アブムサブ・バルナウィ(Abu Musab al-Barnawi)師がボコ・ハラムの新たな指導者に就いたとする主張に裏付けを与えた。

 シェカウ容疑者は今月、自分が追放されたという主張を否定する動画を公表。組織の指導層で権力争いが繰り広げられている様子をうかがわせていた。22歳とされるバルナウィ師はボコ・ハラムの創始者であるモハメド・ユスフ(Mohammed Yusuf)師の子息とみられ、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が新指導者と伝えていた。(c)AFP