【8月28日 AFP】陸上、ダイヤモンドリーグ(IAAF Diamond League 2016)第12戦のパリ大会は27日、女子3000メートル障害が行われ、ルース・ジェベト(Ruth Jebet、バーレーン)が8分52秒78の世界新記録樹立したが、近年陸上界では、ケニアから国籍を変更したジェベトのように、選手の国籍変更が問題となっている。

 東アフリカ出身の多くの長距離選手が中東諸国に国籍を変更したり、モロッコやジャマイカ、ナイジェリア出身の選手も他の国のために走っている。

 バーレーンへ国籍変更した理由について「動物衛生」を学ぶためだとジェベトは説明しているが、国際陸上連盟(IAAF)のセバスチャン・コー(Sebastian Coe)会長は、「国籍変更のルールをより厳しくしたい」と語っている。

 またIAAFで選手の国籍変更調査を担当する評議委員の1人は、「主にケニア、またエチオピアやモロッコ、ジャマイカの選手も少し調査している。ナイジェリア出身の短距離選手による国籍変更も増加している。貧しい国々は難しい状況にある。彼らの低い賃金に比べれば、多くのお金を渡して選手に国籍変更させるのは簡単だ」と話す。

 ジェベトがリオデジャネイロ五輪で金メダルを獲得してケニアに立ち寄った際、ジェベトの父は娘のおかげで家や畜牛を飼うことができるようになったと感謝していると明かしている。

 今回のレース後、いら立ちを見せていたジェベトのマネージャーは「明日われわれは、式典のため国王の待つバーレーンに帰る」と語り、話を打ち切っていた。(c)AFP