【8月26日 AFP】トルコは25日、隣国シリアで展開している大規模軍事作戦に戦車およそ10台を追加投入するとともに、シリアのクルド人民兵部隊を砲撃した。イスラム過激派が掌握する地域への進撃を中止するとの対米合意を順守しなかったためだとしている。

 トルコは24日、シリア北部に部隊を進入させ、5年半に及ぶシリア内戦で最も野心的な作戦を開始した。トルコ政府によると、国境を接するシリア北部地域からイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」とクルド人民兵組織を一掃するのが狙いだ。トルコの戦車、戦闘機、特殊部隊に支援されたシリア反体制派の戦闘員数百人は同日、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の支配下にあったシリア北部の要衝の町ジャラブルス(Jarabulus)を制圧した。

 しかし、トルコのフィキリ・ウシュク(Fikri Isik)国防相は、シリアの主要クルド人組織「民主統一党(PYD)」と傘下の民兵部隊「クルド人民防衛部隊(YPG)」がジャラブルスを狙っているとして、ユーフラテス川(Euphrates)の東側まで後退しなければトルコ軍が介入すると警告。その数時間後、トルコ国営アナトリア(Anadolu)通信はトルコ軍部隊がシリア領内のPYDを標的に砲撃を行ったと伝え、PYDが進撃を中止するとの対米合意に違反したからだと説明した。

 アナトリア通信は治安情報筋の話として、PYDが後退を開始するまでトルコ軍が介入を続けると伝えている。

 トルコ政府はPYDとYPGについて、トルコの非合法武装組織「クルド労働者党(PKK)」のシリア部門として活動し、シリア国内に自治領を作ろうとしているとみて敵対姿勢を示している。(c)AFP/Bulent KILIC with Stuart WILLIAMS in Istanbul