【8月23日 AFP】女子体操で目がくらむような演技を見せた米国のシモーネ・バイルス(Simone Biles)、レスリングのインド代表サクシ・マリク(Sakshi Malik)、地元ブラジルに今大会初の金メダルをもたらした柔道のラファエラ・シルバ(Rafaela Silva)──。リオデジャネイロ五輪は、女子選手の活躍がとりわけ目立った大会となった。

 男子陸上のウサイン・ボルト(Usain Bolt、ジャマイカ)や競泳のマイケル・フェルプス(Michael Phelps、米国)は、リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)に降り立つ前からすでに世界的なスーパースターだった。

 これに対し19歳のバイルスは、五輪初出場ながら卓越した離れ技を見せ、史上最多に並ぶ金メダル4個と銅メダル1個を獲得、一躍スターにのし上がった。

 2012年のロンドン五輪でアフリカ系米国人として初めて体操個人総合金メダルを獲得したガブリエル・ダグラス(Gabrielle Douglas)に続き2人目となる偉業を成し遂げたバイルスは、閉会式で米国旗を託され、スポットライトを浴びながら五輪を終えた。

 テキサス(Texas)州出身のバイルスは、「私は次のウサイン・ボルトでも、マイケル・フェルプスでもない。最初のシモーネ・バイルスよ」と胸を張った。

 バイルスらの輝かしい成功にもかかわらず、男女格差はやはりあった。リオ五輪で行われた種目数を男女別にみると男子は169だったのに対し女子は137にとどまった。

 それでも、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長が閉幕に当たり特別な言及をしたのは、リオで「神の街」と呼ばれる、暴力が横行するファベーラ(貧困街)で生まれ育った24歳のシルバだった。

 またインドの23歳マリクも、同国にリオ五輪初のメダルをもたらすまでには偏見を乗り越えなければならなかったと語った。

 首都ニューデリー(New Dehli)から北西へ76キロに位置するロータク(Rohtak)出身のマリクがレスリングを始めた時、両親は近隣住民から批判を受けたという。

 閉会式でインド国旗を掲げたマリクは、「女子であっても、自信を持たせれば多くのことを達成できると言いたい」と述べた。