【8月17日 AFP】米フロリダ(Florida)州で15日、19歳の男が顔見知りではないとみられる夫婦2人を刃物で殺害した上、死亡した男性の顔の肉を食いちぎるという事件が発生した。容疑者が中毒性のある合成薬物を使用していた可能性が指摘されている。

 事件は15日遅く、同州マイアミ(Miami)の北約150キロ足らずに位置するテケスタ(Tequesta)の民家の私道で発生。警察が現場に到着したところ、フロリダ州立大学(Florida State University)に通うオースティン・ハールフ(Austin Harrouff)容疑者が、うなるようなうめき声を上げながら、歯で犠牲者の肉を食いちぎっているところだった。

 容疑者は刃物で男性(59)とその妻(53)を殺害し、さらに夫婦を助けようとした隣人も刺した。隣人は負傷したが警察に通報し、現在は病院で回復しつつある。

 マーティン(Martin)郡の保安官によると、この「困惑を招く、説明不可能な」攻撃は無差別に行われたもので、容疑者は「バスソルト」や「フラッカ」、「グラベル(砂利)」などの俗称で知られる合成薬物の影響下で現場付近をうろついていたとみられるという。容疑者が殺害された男性にかみつくのをやめさせるために複数の警察官と警察犬、スタンガンが必要だった。

 観光地として人気のフロリダ南部では、安価で強力、死に至る恐れもある薬物「アルファPVP(alpha-PVP)」がまん延している。中国製で化学的には入浴剤に近いとされる。(c)AFP