【8月15日 AFP】リオデジャネイロ五輪は14日、ゴルフ男子最終日がオリンピックGC(Olympic Golf Course)で行われ、英国のジャスティン・ローズ(Justin Rose)がスウェーデンのヘンリク・ステンソン(Henrik Stenson)との息詰まる勝負を制し、通算16アンダーで同種目112年ぶりとなる金メダルを獲得した。

 36歳のローズは、パー5の最終18番でバーディーパットを沈めてステンソンに2打差をつけ、人生最高の栄誉を獲得した。銅メダルはステンソンと1打差のマット・クーチャー(Matt Kuchar、米国)が獲得した。

 2013年の全米オープン選手権(2013 US Open Championship)覇者ローズは、「信じられない、これまで勝ってきたどの大会よりも最高の気分だ。今までで最高の大会だ。最後のピッチショットを思いつけたのは、奇跡みたいなものだった」とコメントした。

 対するステンソンはアプローチがずれてボギーに終わり、銀メダルとなった。約1か月前の全英オープン(The 145th Open Championship)で、フィル・ミケルソン(Phil Mickelson、米国)との激しい一騎打ちを制していたステンソンは、この五輪でもローズと同じような戦いを繰り広げたが、最後は力尽きた。

 それでもステンソンは、「後悔はない。できる限りのプレーをした。いい戦いができた。最後にいいプレーをした方の選手に勝利は転がっていった。五輪のメダリストになるのは特別なこと。ここに来られたのは一生の宝物だ」とコメントした。

 最終18番、ステンソンが第2打でグリーンのそばにつければ、ローズはバンカーを間に挟んだグリーン左に打ち込み、金メダルの行方はアプローチとパットの勝負に持ち込まれた。

 そこからステンソンのアプローチがグリーンをたたき、少し戻されてピンから約7メートルの位置に止まったのに対し、ローズはウェッジを使った素晴らしいアプローチでピンそば約50センチにつけた。

 その後、ステンソンはバーディーパットを約2.5メートル奥に大きく外すと、続くパーパットも外して結局このホールはボギーに終わった。その直後に金メダルをもたらすタップインを決めたローズは、拳を突き上げ、シャツの胸の英国チームのエンブレムをつかんで喜んだ。

 世界ランキング1位のジェイソン・デイ(Jason Day、オーストラリア)ら、ランキング上位4人を含む20人以上の選手が出場を辞退するという決断が競技に暗い影を落としていた五輪のゴルフだが、ふたを開けてみれば、金メダルが誰のものになるか最後までわからない展開が続くなか、素晴らしいショットも飛び出して大いに盛り上がった大会となった。(c)AFP/Jim SLATER