【8月10日 AFP】フランス北東部ドゥオモン(Douaumont)にある第1次世界大戦(World War I)戦没者の納骨堂が、スマートフォン向けゲーム「ポケモンGO(Pokemon Go)」の指定スポットから除外された。兵士13万人の遺骨が納められている場所に人が集まり「バトル」に興じていることについて苦情が相次いだことを受けての措置だという。施設管理者らが明らかにした。

 第1次世界大戦の最激戦の一つ「ベルダンの戦い(Battle of Verdun)」では、フランスとドイツの兵士30人万人以上が命を落とし、そのうちの一部の遺骨が同地に眠っている。

 1984年には、当時のフランソワ・ミッテラン(Francois Mitterrand)仏大統領とヘルムート・コール(Helmut Kohl)西独首相がそろって訪問して手をつなぎ、戦後の両国の和解を象徴する場所ともなった。

 施設の広報担当者によると、地下納骨堂と、ミッテラン氏とコール氏の訪問記念碑はいずれも先週末までポケモンGOのスポットに設定されていたが、施設側の要請を受け、ゲームを開発した米ナイアンティック(Niantic)社が除外したという。

 納骨堂はポケモン同士を戦わせる「ジム」に、また記念碑はアイテムを集めることができる「ポケストップ」に設定されていたという。

 また近接するベルダン記念館(Verdun Memorial)の広報担当者の話では、同館も同様にポケモンジムに指定されているが、「インターネットのネットワークがないので使えない」としている。

 戦争で破壊された近隣のフルーリー・ドゥバン・ドゥオモン(Fleury-devant-Douaumont)村もポケモンGOに取り上げられている。村長はAFPに対し、ナイアンティックに同村を除外するよう申し入れるつもりだと語った。

 ポケモンGOのプレーヤーが殺到した記念施設はドゥオモンが初めてではない。米首都ワシントン(Washington D.C.)のホロコースト博物館(Holocaust Museum)や同市郊外にあるアーリントン国立墓地(Arlington National Cemetery)でも、死者へ敬意を表し、プレーを自粛するよう呼び掛けている。(c)AFP