【8月4日 AFP】米国立衛生研究所(NIH)の国立アレルギー感染症研究所(NIAID)は3日、ジカ熱ワクチンの臨床試験に着手したことを明らかにした。蚊が媒介するジカウイルスは、胎児の先天性異常の原因とも指摘されており、現在、米国と中南米を中心に感染が拡大している。

 NIAIDの声明によると、臨床試験では、NIHが開発のジカウイルスのDNAワクチンを国内3か所の研究施設で、18~35歳の健康なボランティア80人に投与する。初回の投与は2日に行われた。

 NIAIDのアンソニー・ファウチ(Anthony Fauci)所長は、動物実験での良い結果を受け、臨床試験に進むことができたと述べている。

 先月には、ジカ熱ワクチン「GLS-5700」を使った臨床試験が、米ペンシルベニア(Pennsylvania)州に本社を置く製薬会社「イノビオ・ファーマシューティカルズ(Inovio Pharmaceuticals)」主導の下で始まっている。現在、米マイアミ(Miami)とフィラデルフィア(Philadelphia)、カナダのケベック市(Quebec City)で進められている。

 NIAID臨床試験の初期結果は、2017年1月に判明する予定。安全性が確認され次第、ジカウイルス流行国で第2段階の臨床試験を始めることができるという。(c)AFP/Kerry SHERIDAN