【8月5日 AFP】フィリピン警察は3日、同国中部のアルブエラ(Albuera)で、ロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)比大統領に麻薬絡みの犯罪に関与していると非難されていた市長の支持者6人を射殺したことを明らかにした。ドゥテルテ大統領は今回の事件の数日前、麻薬の密売に携わる息子をかばっているとして、この市長を「その場で撃ってよい」と述べていた。

 地元警察によれば、アルブエラで3日、ローランド・エスピノサ(Rolando Espinosa)市長の支持者らと当局の間で銃撃戦が起き、武装していた支持者6人が射殺された。また警察は17丁の拳銃と複数の手投げ弾を回収したという。

 ドゥテルテ大統領は1日、エスピノサ市長とその息子に出頭を呼び掛け、24時間の猶予を与えた。それに先立ち、警察当局は麻薬取り締まり作戦の一環で、市長のボディーガード2人と雇い人3人を逮捕していた。また、エルネスト・アベリャ(Ernesto Abella)大統領報道官はテレビで、「抵抗し、逮捕を試みる警察官らの命が危険にさらされた場合は、その場で撃ってよいとの命令が出されることになる」と述べていた。

 エスピノサ市長は2日に警察に出頭。ドゥテルテ大統領に、麻薬取引に携わる息子を甘やかしている報いを受けさせると脅され、身の危険を感じたと話しているという。

 一方、フィリピン国家警察のロナルド・デラローサ(Ronald de la Rosa)長官は、エスピノサ市長の息子はアルブエラ地方の麻薬ビジネスを牛耳っており、市長自身も「麻薬の庇護(ひご)者」として警察の記録にリストアップされていたと指摘。

 デラローサ長官は、エスピノサ市長を伴い、テレビ中継された記者会見を開き、市長の息子に対して「おまえの父親は既に出頭したぞ。おまえも父親のように出頭しろ。出頭しなければ死ぬことになる。おまえの命は危険な状態にあるのだから、出頭した方が良い」と呼び掛けた。(c)AFP