【7月17日 AFP】途方もない規模の略奪だった。南スーダンの22万人以上の1か月分に相当する食料が、わずか2日間で貯蔵されていた倉庫ごと奪われた。

 南スーダンの首都、ジュバ(Juba)で先週、サルバ・キール(Salva Kiir)大統領を支持する政府軍とリヤク・マシャール(Riek Machar)第1副大統領派との間で激しい戦闘が再発し、国連(UN)の世界食糧計画(WFP)の主要物流拠点の倉庫は根こそぎ略奪された。

 WFPは、飢餓を回避する努力が続けられている南スーダンでも「最も貧しく弱い立場の人々向けの食糧」4500トン以上が奪われたことに憤慨しているとコメントした。

 7月8日から11日にかけて首都で行われた政府軍と第1副大統領派の戦闘で少なくとも300人が死亡。その戦闘の混乱に紛れ、大勢がほしいままに略奪を行った。

 政府軍の報道官、ルル・ルアイ・コアング(Lul Ruai Koang)氏は、首都で起きた略奪について「残念だった」と述べ、第1副大統領派1400人の一部が略奪を行ったと非難した。

 政府軍の戦車や武装ヘリコプターによる圧倒的な火力で拠点を攻撃された副大統領派が撤退に追い込まれた11日夜以降、首都は比較的平穏になっている。

 奪われた食糧の大半は、ジュバ郊外にある広大な倉庫からトラックで持ち去られた。近隣住民によると、「軍服姿の男たち」がクレーン付きトラックを使い、物流拠点に電力を供給していた小型バスほどの大きさの発電機も奪い去ったという。

「兵士たちが去ると、今度は一般市民が物色しにやって来た」と戦闘で破壊され、焼け落ちた家が点在する近隣地区で暮らすジェームズ・ケリー(James Keri)さんは語った。

 国連によると、今後数か月で南スーダンの人口の3分の1以上が深刻な食糧不足に直面するとみられており、同国で「破滅的な飢餓」が起きるリスクがあるという。

 WFPの倉庫以外の多くの場所でも略奪が起きた。市民たちが身の安全を確保するために教会や郊外に避難すると、住宅や店舗も略奪されたという。

 教会に避難しようとしていたメアリー・ワニ(Mary Wani)さんは「戦闘はとても激しく、銃弾が家の壁を突き抜けて飛んできたので、私たちは一日中ベッドの下に隠れていました」と語った。「彼らは私たちを家から追い出すと、家にあった持ち出せるものを全て奪っていきました」

(c)AFP/Peter MARTELL