【7月14日 AFP】世界中で話題となっているスマートフォン向けゲーム「ポケモンGO(Pokemon Go)」が、イスラエルとパレスチナでも注目を集めている──ただ、この地域では多くのことがそうであるように、その取り上げられ方は少々政治色を帯びている。

 イスラエルでは、軍と大統領がこのポケモン人気に飛びついた。

 イスラエルのレウベン・リブリン(Reuven Rivlin)大統領は、「自らの執務室にネコに似たポケモンがいる」としながら「誰か警備員を呼んでくれ」との文字と共に画像を公開した。この会議室は、これまでに世界の要人を数多く迎えている場所だ。イスラエルの海軍も、海上でポケモンを捕らえた際の画像と「われわれだけが捕らえることのできるポケモンがいる」とのメッセージをネットを通じて共有した。

 一方、パレスチナでは、イスラエルが占領する地域の現状について伝える手段としてポケモンGOが用いられた。

 中でも、イスラエルとの紛争で破壊されたガザ地区(Gaza Strip)の家屋のがれきの中から、ポケモンの主要キャラクター「ピカチュウ」が現れる画像は、ツイッター(Twitter)を通じて広く共有された。

 また、ヨルダン川西岸(West Bank)地区のヘブロン(Hebron)のパレスチナ人男性は、大半のパレスチナ人たちが立ち入りを禁じられているイスラエルの入植地に言及し、「入植地の通りにポケモンがいる。どうやって捕まえればいいんだ?」と書き込んだ。(c)AFP