【7月4日 AFP】英国の欧州連合(EU)離脱問題で、離脱手続きの開始を阻止するため、英政府を相手取って訴訟を起こす動きが出ている。ロンドン(London)の法律事務所ミシュコン・デ・レヤ(Mishcon de Reya)は3日、英政府が議会の承認を得ずに手続きに踏み切った場合は法的措置をとると発表した。

 ミシュコン・デ・レヤは、EU加盟国が脱退する際の法的手続きを定めたEU基本条約(リスボン条約、Lisbon Treaty第50条について、英政府が議会での議論と採決を経ずに発動することはできないと主張。「国民投票の結果そのものに法的拘束力はなく、現在・将来いずれの英首相も、議会の承認を得ずに第50条を発動すれば違法となる」との声明を出した。

 英議会ではEU残留派が過半数を占めていることから、法的措置の動きによって離脱プロセスが複雑化する恐れがある。

 ミシュコン・デ・レヤでは、訴訟を求めているのは「複数の顧客」と説明するのみで具体的な名前は公表していない。ただ、司法業界誌「The Lawyer」によると。顧客は「複数の企業」だという。(c)AFP