【6月29日 AFP】英国が国民投票で欧州連合(EU)からの離脱を選択したことを受けて、いずれも残留派が過半を占めた英領ジブラルタル(Gibraltar)とスコットランド(Scotland)の両自治政府トップが28日、残留に向けた話し合いを行ったことが分かった。ジブラルタル側が声明で明らかにした。

 イベリア半島(Iberian Peninsula)南端に位置し、300年前に英国領となったジブラルタルでは、住民の圧倒的多数が残留に投票。スコットランドでも過半数が残留を支持したが、全体の結果は離脱派がわずかに上回った。

 声明でジブラルタル自治政府は「どうすれば今後のジブラルタルの地位をもっとも良く守れるか、あらゆる選択肢を検討している」と明らかにした。

 ジブラルタルのファビアン・ピカルド(Fabian Picardo)自治政府首相とスコットランドのニコラ・スタージョン(Nicola Sturgeon)自治政府首相が「それぞれの住民の意見に従ってEUに残留する可能性を実現」すべく協議したという。

 スタージョン氏は29日、EU域内でスコットランドの立場を保持する方策を探るため、ベルギー・ブリュッセル(Brussels)を訪問してEU指導部と会談する予定だ。同氏は前日に開かれたスコットランド議会の緊急会合で「スコットランドとEUの関係、EU域内でのスコットランドの地位を保持するため断固決意している」と表明している。(c)AFP