【6月27日 AFP】ニューヨーク(New York)やサンフランシスコ(San Francisco)など米国の主要都市で26日、毎年恒例のイベント「ゲイ・プライド(Gay Pride)」のパレードが開催された。参加者らは、フロリダ州オーランド(Orlando)で起きた銃乱射事件の犠牲者に思いを馳せつつ、寛容を訴えた。

 ニューヨークのパレードには、11月の米大統領選で民主党指名獲得を確実にしているヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官も参加した。

 サンフランシスコのパレードでは、電子音楽が鳴り響く中、集まった人々が歓声をあげた。参加者の中には、オーランドの事件犠牲者の写真を掲げるグループや、革製のボンテージ服姿で練り歩く男性らの姿が見られた。

 当日のゲイパレードは、シカゴ(Chicago)やシアトル(Seattle)でも行われ、参加者らはイベントを楽しむと同時に、米史上最悪となった今月12日の銃乱射事件の犠牲者49人を追悼した。この事件をきっかけに、米国では銃規制への論議が再燃している。

 ニューヨークのビル・デブラシオ(Bill de Blasio)市長はパレードの開始に先だち、「私たちは憎悪に立ち向かう。私たちの価値観を弱体化させようとする人たちに立ち向かう。私たちは、すべての人のための社会が存在すると信じている。そして私は、示された答えが素晴らしいものだったと言わざるを得ない」と述べた。

 パレードでは犠牲者を追悼する49本の旗が掲げられた。また、全身を覆う白い服とベール姿で、オーランド事件の犠牲者の名前と写真が入ったプラカードを首から下げたグループや銃反対を訴える「Gays Against GunsGAG)」によるダイ・インのプロテストも見られた。

 オーランドの事件犠牲者への追悼の意が込められた今回のイベントだが、他方では、大音量で流れる音楽やレインボーカラーの風船の大きな橋など、例年通りに大規模なストリートパーティ-を楽しむ人々の姿も数多く見られ、また露天商が取り扱うレインボーカラーの商品も飛ぶように売れていた。

 集まった観客も色とりどりの羽根飾りを身に着け、虹色の旗を掲げた。幼い子ども連れの親や海外からの観光客、中には、体にぴったりとしたボディースーツやヒールの細いスチレットヒール靴を身に着けて注目を浴びる人たちもいた。(c)AFP/Jennie MATTHEW