【6月14日 AFP】イラク軍は13日、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が支配する中部ファルージャ(Fallujah)の奪還作戦をめぐり、過去2週間に避難する市民にまぎれて逃走を図ったIS戦闘員とみられる500人以上を拘束したと発表した。

 イラク軍は先月末にISのイラクの拠点の一つであるファルージャの奪還作戦を開始し、2週間前から攻勢を強めている。こうした中、ファルージャがあるアンバル(Anbar)州の警察幹部は「過去2週間に国内避難民の動きに乗じて逃走したテロ容疑者546人を拘束した。多くは偽の身分証を使用していた」と明らかにした。

 奪還作戦全体を指揮するアブデルワハブ・サアディ(Abdelwahab al-Saadi)司令官は「ダーイシュ(Daesh、ISのアラビア語名の略称)は市民にまぎれて逃走している。われわれはその多くを拘束し、容疑者らを捜査している」と述べた。

 首都バグダッド(Baghdad)から西方わずか50キロのファルージャの中心部には、先週まで市民が5万人程度取り残されていたとみられている。一方、市内に潜伏しているIS戦闘員は推定1000~2500人とされる。

 リズ・グランデ(Lise Grande)国連イラク支援ミッション(UNAMI)事務総長特別副代表は13日、イラク軍が築いた安全なルートを使い、ここ数日間で7000人以上の市民がファルージャから脱出したと語った。イラク軍は2つ目の安全なルートを開くべく作業を進めているという。(c)AFP