【6月11日 AFP】オーストリアで、難民の子どもたちのための水泳教室をめぐり批判が相次ぎ、ライフセーバーの車の窓ガラスが割られたり、移民は溺れ死ねばいいなどと投稿した女性を地元紙が訴えたりする事態が起きている。

 今週、オーストリアの複数の新聞が伝えたところによると、同国南部ケルンテン(Carinthia)州は、今夏の湖やプールでの事故防止のために、保護者のいない子どもたち向けに無料の水泳教室を開いていた。

 しかし、この水泳教室に対してはネット上で「世間知らずで不快」なコメントが相次ぎ、さらにはボルフスベルク(Wolfsberg)でライフセーバーの車の窓ガラスが何者かに割られるなどの騒ぎが起きた。

 日刊紙クリア(Kurier)が9日に水泳教室のことを報じると、賛同する声と共に、費用には税金が使用されることや、このような水泳教室を開けばオーストリアに来る移民を増やすだけ、などの批判が相次いだ。

 ある女性はクリアの記事についてソーシャルメディア上に、移民は「溺れ死ねばいい」と投稿した。クリアは10日、当局にこの女性を告発した。

「ヘイトスピーチ(憎悪表現)の投稿が増加してきているため、クリアは今後、そうした投稿への対策と、当局に訴える措置を強化することにした」と同紙は述べている。(c)AFP