【6月7日 AFP】マレーシアの首都クアラルンプール(Kuala Lumpur)で、キリスト教徒の子どもたちに性的暴行を加えたとして、英国の裁判所は6日、英国人の小児愛者に対して、少なくとも25年間仮釈放なしの終身刑を言い渡した。

 ピーター・ルック(Peter Rook)判事は、子ども22人に性的暴行を加えた罪を認めていたリチャード・ハックル(Richard Huckle)被告(30)に対して22回分の終身刑を言い渡した。

 ハックル被告は既に488日間収監されているものの、仮釈放が認められるとしてもあと23年以上の刑期が残っている。

 ハックル被告はクアラルンプールにあるキリスト教のコミュニティーで活動するボランティアを装い、子供に対して犯した計71件の罪を認めていた。

 ハックル被告はウェブサイト「トゥルーラブゾーン(TLZ)」に、少年少女に性的虐待を加える様子を撮影した画像を投稿しており、うち最年少の被害者は生後約6か月とみられている。

 英国の警察当局は2014年12月、クリスマスに両親と過ごすためマレーシアから帰国したハックル被告をロンドン(London)のガトウィック空港(Gatwick Airport)で逮捕した。

 ハックル被告は厳重に暗号化したノートパソコンと、子どもに性的虐待を加えている様子を撮影した画像20万枚以上を収めたカメラを所持していた。

 このパソコンにはハックル被告が子ども191人に対する虐待の詳細をつづった記録が収められていたが、証拠写真がなかったため、当局は191人全員に対する罪で訴追することは断念したという。

 また、一部の動画には、お互いに性的虐待を強いられている子どもたちや、他の子どもが見ている前で虐待されている子ども、さらに尿をかけられている子どもの姿も映っていたという。(c)AFP/James PHEBY