【6月6日 AFP】オーストラリア五輪委員会(AOC)が、若手テニス選手のニック・キリオス(Nick Kyrgios)に対し、リオデジャネイロ五輪の代表チームに入る条件として、これまでの問題行動について説明するよう、16ページに及ぶ質問書を送付していたことが分かった。

 オーストリア勢では最高となる、男子シングルス19位のキリオスは、先日、AOCから「不当な攻撃」を受けたとして、リオ五輪への出場を辞退すると述べていた。

 これについて、オーストラリア選手団のキティ・チラー(Kitty Chiller)団長は、キリオスの主張を一蹴し、自分たちはルールにのっとって、わけ隔てなく代表候補の行動を管理していただけだと説明した。

 チラー団長は報道陣に対し、「誰かが行動を起こさなければならない。なぜ私がこういう対応を取ったのかといえば、これまでの3年間、私たちはリオへ派遣する選手の行動規範について周到に準備してきたからです」とコメントした。

「彼に限ったことではなく、リオに派遣される428人の選手に同じことをやっています」

 チラー団長は、これまでの問題行動を時系列に並べ、その意図を「説明するよう」求めた16ページの書簡が、先週AOCからキリオスに送付されたことを認めている。

 ただし、飲酒運転に絡む問題を起こした射撃のマイケル・ダイヤモンド(Michael Diamond)選手や、フィールドホッケーのアンナ・フラナガン(Anna Flanagan)選手にも、同様の書簡が送られているという。

 チラー団長は、「(前述の選手も)ニック・キリオスに宛てたのと同じ内容の手紙を受け取っている。確かに、ニックのものは16ページで、他選手のものより長かったことは認めます」としている。

 コート内外で、歯に衣着せぬ物言いをすることで知られるキリオスは3日、五輪辞退の理由を「AOCは公私にわたって自分を軽蔑した」からだと説明していた。

 また、AOCのメンバーは誰も自分や関係者にコンタクトせず、「懸念事項を話し合う機会も与えてくれなかった」と糾弾していた。

 しかし、これについてもチラー団長は「正直に言って、驚いています。なぜなら、事実は彼の声明の内容と異なり、私たちは彼に連絡したからです」と続けた。

「彼の手に書簡が到着したのは5月30日で、その中身は、そちらの言い分を聞かせてくれという内容のものでした。つまり、私たちは連絡しているのです」

「彼はそれに対して返事をせず、出場を辞退しました。つまり、それは彼の決断なのです」

 キリオスが五輪辞退の考えを撤回する場合、17日までにAOCの書簡に対する返事を送付する必要があり、委員会の幹部がその内容を審査するという。

 豪テニス協会(Tennis Australia)は3日、キリオスが「あのような状態に追い込まれた」ことに落胆していると明かしており、代わりの選手については、月末までに推薦する必要がある。(c)AFP