【6月6日 AFP】発展途上国による再生可能エネルギーへの支出額が昨年、先進国を初めて上回り、再生可能エネルギーの発電能力がこれまでで最も速いペースで増加するのをけん引したとする報告書が今月初め、発表された。

「自然エネルギー世界白書(Renewables Global Status Report)」によると、2015年の再生可能エネルギーへの世界全体の投資額は、石炭や天然ガスを利用する発電への投資額に比べて2倍以上となった。

 再生可能エネルギーへの支出総額は、2014年比5%増の2860億ドル(約31兆円)となり、これまで最高だった2011年の総額を更新した。

 支出額が最も多かったのは中国で、世界全体の投資総額の3分の1以上を占めた。またインドや南アフリカ、メキシコ、チリなどでも支出額が著しく増加した。

 2015年に追加された発電能力は合計約147ギガワット。これは過去最大の増加で、アフリカ全体の発電能力に匹敵するとされる。

 報告書によると、風力発電と太陽光発電への投資が最も多く、太陽エネルギーの活用には、2015年の再生可能エネルギーへの投資総額の半分以上が当てられた。

 その一方で、バイオ燃料や水力発電など他の再生可能エネルギーへの投資額は減少し、運輸分野での代替燃料の利用については、他の分野に遅れをとった状態が続いている。

 先進国におけるグリーンエネルギーへの支出も低下し、特に欧州では投資総額が前年比約5分の1減少した。(c)AFP