【5月28日 AFP】米大統領選で共和党の候補指名を確実にしたドナルド・トランプ(Donald Trump)氏は27日、ここ数日前向きな姿勢を見せていた民主党の候補指名争いに残るバーニー・サンダース(Bernie Sanders)上院議員とのテレビ討論対決について、一転して提案を拒否した。

 歯に衣着せぬことで知られるトランプ氏は、提案拒否の理由として民主党の予備選でヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官がサンダース氏を大きくリードしている点を指摘。声明で、いつもながらの攻撃的な論調を展開した。

「民主党の候補指名手続きは完全なる不正操作で、『いんちきヒラリー』や(党全国委員会)のデボラ・ワッサーマン・シュルツ(Deborah Wasserman Shultz)委員長は、バーニー・サンダース氏を決して勝たせない。今や私は共和党の推定大統領候補であり、その私が予備選2位の人物と討論するのは不適切だと判断した」

 トランプ氏はさらに「テレビ局はこうした討論会で金儲けをもくろんでいるが、慈善活動に対し、特に今回は女性の健康問題に関して、寛大な姿勢を示していない」とも述べた。同氏はサンダース氏との討論対決実現に当たって、1000万ドル(約11億円)の寄付金を集めて慈善活動に投じることを条件としていた。

「したがって、サンダース氏と討論したいのはやまやまだし、金も簡単に集められるだろうが、民主党の指名候補が決定するまで討論するのは待つことに決定した。相手が『いんちきヒラリー』であろうと、誰であろうとも」とトランプ氏は結論付けている。

 トランプ氏とサンダース氏は今週初め、異例の討論対決の提案に合意。両陣営が討論会はスタジアムで開催されるべきだと主張する中、記録的な視聴率が予想されるなど、期待が高まっていた。

 サンダース陣営は今回のトランプ氏の声明に先立ち、少なくとも2つのテレビ局から討論会開催の申し出を受けたと発表していた。(c)AFP