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全既存薬が効かない「悪夢」のスーパー耐性菌、米国で初確認

2016年5月27日 11:58 発信地:マイアミ/米国

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全既存薬が効かない「悪夢」のスーパー耐性菌、米国で初確認
仏パリで撮影された錠剤やカプセル(2011年2月1日撮影、資料写真)。(c)AFP/LOIC VENANCE

【5月27日 AFP】全ての既存薬に耐性を持つスーパー耐性菌への感染が米国内で初めて確認されたと、米疾病対策センター(CDC)が26日、発表した。抗菌薬が効かない「ポスト抗生物質時代」の到来に警鐘を鳴らしている。

 感染が確認されたのは、米ペンシルベニア(Pennsylvania)州在住の女性(49)。尿路感染症の検査で、感染症治療における最終選択薬とされている抗生物質「コリスチン」への耐性を持つ大腸菌株の陽性反応が出た。

 トマス・フリーデン(Thomas Frieden)CDC所長によると、コリスチンは「悪夢の細菌」の異名で知られるカルバペネム耐性腸内細菌(CRE)に対して唯一有効な抗菌薬だという。

 見つかったスーパー耐性菌が保有する遺伝子「MCR-1」は、中国や欧州でも確認されている。米国微生物学会(American Society for Microbiology)の専門誌「抗菌薬と化学療法(Antimicrobial Agents and Chemotherapy)」に掲載されたCDCの報告書は、米国での「MCR-1」初確認について「まさに全既存薬を無効にする耐性菌の出現を告げるもの」だとしている。

 ペンシルベニア州の女性患者の容体に関する詳細は報告書に記載されていない。スーパー耐性菌の中には致死性の高いものもあるが、全ての患者が死に至るわけではない。

 この女性には海外渡航歴がないため、米国外で耐性菌に感染した可能性はないとフリーデン所長は指摘。「われわれは、ポスト抗生物質時代にいる危険を冒している」と述べた。

 コリスチンは1959年からある抗菌薬で、大腸菌やサルモネラ菌、アシネトバクター属菌などによる重い感染症の治療に用いられた。腎毒性が高いことから1980年代に人体への使用が中止され、中国を中心に家畜に使われるのみとなっていたが、近年、耐性菌の出現により他の抗菌薬が効かない場合の最終選択薬として医療機関で再び使用されるようになっていた。(c)AFP

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