【5月26日 AFP】世界屈指の揺るぎない同盟を誇り、信じがたいとさえ言われるほど堅固な関係を築いてきた日本と米国。しかし約70年前、米国が落とした原子爆弾は広島と長崎を壊滅させ、20万人もの犠牲者を出した。

 両国が4年間にわたって太平洋(Pacific Ocean)を舞台に繰り広げた激戦は、1945年8月、2つの都市を徹底的に破壊し尽くすという悲惨な結末を迎えた。この未曽有の大量殺りくにもかかわらず、最大の敵は今や最良の友となっている。

 バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は27日、広島を訪問する。現職米大統領の被爆地訪問は史上初で、安倍晋三(Shinzo Abe)首相も同行する。日本人にとって鎮魂・慰霊の地である広島だが、原爆投下を命じたハリー・トルーマン(Harry Truman)大統領を含む11人のオバマ氏の前任者たちにとってはずっと、決して立ち入ってはならない場所だった。 

 訪問には数々の繊細な問題、象徴的意味、感情の表出が伴う。戦後70年余もの長い間はっきりした答えが避けられてきた困難かつ賛否両論を呼ぶ問いも、その一つだ。

 すなわち、原爆投下は市民を標的にした戦争犯罪だったのか。それとも、戦争を早期に終結させ人々の命を救ったのか?

 ただ、日本人の間に米国人に対する深い恨みを見いだすことは難しい。「嫌悪感というものは私にはありません」と、広島で被爆した藤森俊希(Toshiki Fujimori)さんは話す。「というのは、原爆を投下しろと命じたのは当時のトルーマン大統領ですので、米国の全ての国民がそうだったかというと、そうでもない」

「アメリカ全体を私が嫌悪感をもって見ていることはない」(藤森さん)