【5月12日 AFP】イラク政府の報道官は11日、同国でイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が実効支配している地域が40%から14%にまで縮小したと明らかにした。

 ISは2014年6月にイラクで大規模な攻撃を開始。広範な地域を掌握し、一時は首都バグダッド(Baghdad)をうかがう勢いを見せていた。

 しかし、政府側はイランの後押しを受けたシーア派民兵や米国主導の有志連合に支援されながら反撃に乗り出し、ティクリート(Tikrit)やラマディ(Ramadi)などの主要都市を奪還。2年近く前にISが「カリフ制国家」を宣言した支配地域は1年で着実に縮小した。

 サド・ハディティ(Saad al-Hadithi)政府報道官はテレビ放送で、「イラクの各都市・州でダーイシュ(Daesh、ISのアラビア語名の略称)は後退した」と述べた。

 バグダッドからビデオ通話で米国防総省での記者会見に応じた米軍のゲイリー・ボレスキー(Gary Volesky)少将も11日、掃討作戦によってISは戦闘員の補充に苦労し、大規模な戦闘を開始できなくなっていると指摘。

 米国の支援を受けてニナワ(Nineveh)州モスル(Mosul)やアンバル(Anbar)州ファルージャ(Fallujah)などの奪還を目指すイラク治安部隊の取り組みも実を結びつつあるとし、ISは「日々、支配地域を失っている」と述べた。(c)AFP