【5月12日 AFP】2018年のジロ・デ・イタリア(Giro d'Italia 2018)が、日本で開幕するかもしれない。――複数の情報筋が、AFPに明かした。

 自転車ロードレース最高峰の大会「グランツール(三大ツール)」の一つであるジロ・デ・イタリア。歴史ある大会ながら、2012年にはデンマーク、一昨年はアイルランド、今年はオランダで開幕ステージが行われるなど、長年にわたって文字通り国境を超えてきた。

 日本でのジロ・デ・イタリア開幕が実現すれば、ツール・ド・フランス(Tour de France)、ブエルタ・ア・エスパーニャ(Vuelta a Espana)を含め、グランツールのスタート地点が初めて欧州を飛び出すことになる。

 大きなチャレンジになることは間違いないが、日本の風景がジロ・デ・イタリアの新たな魅力を引き出す可能性があるだけでなく、ビジネスとして無視できない一面があるようだ。

 イタリアの日刊紙スタンパ(La Stampa)によれば、富士山など日本の名所で最初の4ステージを開催した場合、約3500万ユーロ(約43億円)の経済効果があるという。一方で、各チームは長距離移動の対価として、25万ユーロ(約3000万円)から50万ユーロ(約6000万円)を受け取ることになる。実際に東京とローマ(Rome)は約1万キロ離れており、フライトは12時間を超える。

 AFPが取材したチームの多くは、日本での開催はレースを複雑化し、出費がかさむと問題点を指摘している。

 アージェードゥゼル・ラ・モンディアル(AG2r - La Mondiale)のチーム代表は、「(今年のレースでは)2つの構成を考えなければならない。最初の3ステージが行われるオランダ分、そしてジロの残りが行われるイタリア分だ。走っている選手が同じというだけでね」と述べた。