【5月7日 AFP】今年3月に行われた競馬のUAEダービー(UAE Derby 2016、ダート1900メートル)で優勝を果たし、米国G1レースの第142回ケンタッキーダービー(142nd Kentucky Derby、3歳、ダート約2000メートル)の出走権を手にしたラニ(Lani)について、陣営は今年最初の米三冠レースでどれだけの実力を示せるかは未知数だと語った。

 ベテランの武豊(Yutaka Take)騎手は、自身が騎乗するラニについて、「もし、この馬が走りたいと思えば、チャンスは大きい」とコメント。ラニは、ケンタッキーダービーに出走する日本の競走馬としては、1995年に武騎手鞍上で14位に終わったスキーキャプテン(Ski Captain)以来2頭目となる。

 しかしながら、ケンタッキー(Kentucky)州ルイビル(Louisville)のチャーチルダウンズ競馬場(Churchill Downs)で、芦毛(あしげ)のラニは命令に従おうとせず、ゲート練習では不機嫌な様子をみせるなど、その「もし」には大きな疑問符がつく。

 丸内永舟(Eishu Maruuchi)調教助手が、「彼が王様で、私が召使いですから」とあきらめた様子で話す一方で、松永幹夫(Mikio Matsunaga)調教師は、3月15日に日本をたって遠征に出て、UAEダービーを戦ったラニにとって、ケンタッキーダービーは「大変な仕事」であることを認識している。

 アラブ首長国連邦(UAE)・ドバイ(Dubai)のメイダン競馬場(Meydan racecourse)で行われたG2のUAEダービーで、ラニは直線勝負で優勝を飾った。ラニはスタート直後につまずいて出遅れたものの、徐々に順位を上げて差し切った。

 前田幸治(Koji Maeda)氏が馬主で、ケンタッキーの種牡馬タピット(Tapit)を父に持つラニは、そこから長旅を経て、米国本土で初めてのレースに臨む。

 松永調教師によれば、ラニは練習嫌いで、厩舎(きゅうしゃ)では他の馬に敵意をみせることもあるものの、レースになればプロフェッショナルな馬だという。

「レースでは、常に走ることに集中します。レースが好きなのです」

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