【4月30日 AFP】女子テニスのスーパースター、マリア・シャラポワ(Maria Sharapova、ロシア)と同じ禁止薬物メルドニウム(Meldonium)の陽性反応が出たにもかかわらず、男子テニスのセルゲイ・ベトフ(Sergey Betov、ベラルーシ)は29日、出場停止処分を解除された。

 28歳のベトフは、ダブルスに出場した今年1月の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2016)の薬物検査でメルドニウムが検出されていた。

 しかし、ペトフの検体が陽性反応を示したメルドニウムの量は、世界反ドーピング機関(WADA)が今月上旬に定めた基準を下回っていたため、3月12日から暫定的に出場停止となっていたベトフの処分は解除された。

 WADAは2016年1月1日からメルドニウムを意図的に使用していない選手に限り、責任は問われないとしている。

 国際テニス連盟(ITF)は声明を発表し、「ベトフ氏の検体が陽性反応を示したメルドニウムは、彼が6週間にわたり服用した錠剤を最後に使用した2015年10月のものだったことを認める」とコメント。「ベトフ氏に過失はなく、義務違反もないという結論を下した。彼はすぐに再び競技を再開することができる」 

 メルドニウムは今年1月1日から禁止薬物のリストに入り、これまで170以上のサンプルから陽性反応が出ている。これを受けてWADAは、物質が体から排出されるまでの期間が不明だとして、メルドニウムの摂取に関する処分が解除されるとしている。

 四大大会(グランドスラム)通算5勝を誇る元世界ランク1位のシャラポワは今年3月、全豪オープンの薬物検査で自身の検体からメルドニウムの陽性反応が示されたことを認めている。

 暫定的に出場停止処分を受けているシャラポワは、運動能力向上薬としてではなく、健康上の理由でメルドニウムを服用しており、今年になって禁止薬物に指定されたことを知らなかったと主張している。(c)AFP