【4月30日 AFP】カリブ海の米自治領プエルトリコで29日、ジカウイルス感染による関連死が初めて確認された。米疾病対策センター(CDC)が発表した。患者は重度の血小板減少症に伴う合併症のため死亡したという。

 CDCは先に、プエルトリコでジカ熱への感染が爆発的に増加し、感染者数が数十万人に及ぶ恐れがあると警告していた。

 蚊が媒介するジカウイルスは、感染すると発疹や関節痛、筋肉痛、頭痛、発熱などの症状が出る。脳と頭部が異常に小さい状態で赤ちゃんが生まれる「小頭症」との関連が指摘されており、近年ブラジルで小頭症の新生児数が増加している原因といわれている。

 CDCはプエルトリコの人々に対し、蚊に刺されないための対策として、虫除け剤や長袖の衣服、住居の戸締りなどを徹底するよう呼び掛けている。また、ジカウイルスは性交渉でも感染することから、パートナーが妊娠している場合は男性用避妊具を使用するか、出産まで性交を避けるよう注意している。

 プエルトリコでは昨年11月に症状を訴えた患者が、翌12月に領内初のジカウイルス感染者と確認されていた。CDCによると、今年4月14日までのプエルトリコにおける感染者数は6157人で、うち65人が妊婦、17人が入院し、5人が神経障害のギラン・バレー症候群(Guillain-Barre Syndrome)を発症した疑いがあるという。(c)AFP/Kerry SHERIDAN