【4月29日 AFP】フランス各地で28日、労働法改正案に反対する抗議行動が行われ、参加者と警察との衝突に発展した。ベルナール・カズヌーブ(Bernard Cazeneuve)内相によると、首都パリ(Paris)では警察官24人が負傷、うち3人が重傷を負った。

 パリでは、覆面姿の若者らが瓶や石を投げつけ、治安部隊は催涙ガスで応戦。警察とデモ隊の衝突はナント(Nantes)、リヨン(Lyon)、マルセイユ(Marseille)、 トゥールーズ(Toulouse)の4都市でも発生し、全土での逮捕者は計124人に上ったという。

 マニュエル・バルス(Manuel Valls)首相はこの暴動を強く非難し、責められるべき「少数の無責任な人々」には法の裁きを受けさせるとツイッター(Twitter)で述べた。

 同日には全土で合わせて17万人以上の労働者や若者が街頭に出て、労働法改正案の撤回を改めて要求した。

 2か月前に始まったこの抗議の波は、デモだけでなく、航空・公共交通部門でのストにもつながっており、政府にとっては大きな頭痛の種となっている。

 改正案は失業率の低減を目的としているが、反対派は同案が労働者の権利を脅かし、若者の雇用状況をさらに悪化させると主張している。

 労働組合や学生団体はメーデーを迎える来月1日に加え、議会が同法案の審議を開始する3日にも抗議行動に出る計画だ。(c)AFP/Dominique BRULÉ and Gina DOGGETT