【4月28日 AFP】米宇宙開発企業スペースX(SpaceX)のイーロン・マスク(Elon Musk)最高経営責任者(CEO)は27日、将来の火星植民地計画の一環として、早ければ2018年までに無人の宇宙船を火星に向けて打ち上げると発表した。

 マスク氏は、同日のツイッター(Twitter)への投稿で、「2018年にドラゴンを火星に送ろうと計画している」、「レッド・ドラゴン(計画)は、火星の詳細な構造についてあらゆる情報を提供するだろう」「ドラゴンは太陽系全ての惑星に着陸できる。火星は最初の試験飛行となる」と述べた。

 投稿にある「ドラゴン」とは、現在、国際宇宙ステーション(ISS)への食料や物資の供給に使用しているスペースXの無人物資補給船「ドラゴン(Dragon)」の改良版とみられる。

 ただ一方で、近い将来での有人の宇宙飛行計画はないとも述べており、宇宙船の乗組員室についてSUV(スポーツ用多目的車)程度の広さしかなく、宇宙飛行士の長距離移動には「お勧めできない」とコメントしている。

 有人飛行をめぐっては、米航空宇宙局(NASA)が研究を進めている。現在、長期間の宇宙飛行が人体に与える影響を調査中で、2030年代までに火星に人を送りたい計画だ。

 マスク氏はこれまでに、火星に100万人規模の地球人が暮らすコロニーをつくる計画を明らかにしており、「多惑星」での人類の生存と地球にとどまることによる人類絶滅リスクの回避をその理由として挙げている。

 マスク氏は、後に「PayPal」として知られるようになる電子決算サービスの共同設立者で、また現在は、米電気自動車(EV)メーカーのテスラモーターズ(Tesla Motors)の経営者でもある。(c)AFP