【4月17日 AFP】米大統領選で民主党の候補指名を目指しているバーニー・サンダース(Bernie Sanders)上院議員は16日、バチカン(Vatican)でローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王と約5分間面会した。サンダース氏はこの短い面会を利用し、人気が高い法王が支持する「モラル・エコノミー」(道徳に基づく経済)に同調する姿勢を示した。

 選挙戦を一時離れてイタリア・ローマ(Roma)を訪問したサンダース氏は、米CNNおよびABCのインタビューでこの面会について触れ、法王は「素晴らしい人物」だと語った。

 サンダース氏と法王の面会は、メディアに非公開で行われた。法王は難民の窮状を視察するためにギリシャのレスボス(Lesbos)島訪問に出発する前、自らが住むバチカンの聖職者用宿泊施設「サン・マルタ館(Santa Marta)」の玄関ロビーでサンダース氏と会ったとされる。

 今回の面会は高い注目を集めている。民主社会主義者を自称するサンダース氏は不可知論者のユダヤ系で、社会問題をめぐる立場は法王のそれと大きく異なる。

 法王がレスボス島から戻る機内で記者団に語ったところによると、サンダース氏は法王が出かけることを承知の上であいさつに来た。法王はサンダース夫妻と、同行していたもう一組の夫婦にあいさつしたという。

 3日後に控えるニューヨーク(New York)州の民主党予備選で、サンダース氏は再びヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官と競うが、法王との面会がサンダース氏にとって注目度を高める劇的な手段だったことは間違いない。(c)AFP