【4月15日 AFP】英国の外科医が14日、バーチャルリアリティー(仮想現実、VR)技術を用いてがんの手術をライブストリーミングした。同外科医によると、世界初のこの試みは、手術の訓練に役立ち、離れた場所から医師が助言することも可能にするという。

 王立ロンドン病院(Royal London Hospital)のシャフィ・アーメド(Shafi Ahmed)医師は、手術室に360度録画のための2つの装置を設置。スマートフォン(多機能携帯電話)とVRヘッドセットがあれば、その場にいるかのように手術を体験できる。

 同医師は、少なくとも2時間かかる予定の結腸がんの執刀に先立ち、この技術を使えば「より安価に、より臨場的に、世界中の人に教えることができる」とAFPに語った。

 患者は70歳代の英国人男性で、名前は明かされていないが、アーメド医師によると、手術が国際的に観察されることに興奮しているという。

 手術は「www.medicalrealities.com」で、万が一の場合に備えて実際の手術より約1分遅れでストリーミング。同医師は16歳以上の人だけが見るべきだと述べた。

「没入型360度バーチャルリアリティーが手術に使用されるのはこれが初めてだ」

(c)AFP