【3月29日 AFP】米地質調査所(USGS)は28日、米国では約700万人が人為的な地震リスクの高い地域で暮らしているとの調査報告書を発表した。これらの地震については「フラッキング(水圧破砕法)」との関連性が頻繁に指摘されている。

 人為的な地震がUSGSの予測マップの対象となったのは今回が初めて。そのため、同国の一部地域では、損害リスクのある揺れが発生する恐れが大幅に増えたという。

 高リスクと指摘されたのは、人為的な地震活動が著しく高まっている米中部および東部地域。

 USGSの報告書によると、人為的地震の主要な原因には排水処理。砂や化学物質を混ぜた水を地下深くに高圧力で注入し、岩層を粉砕して内部のオイルやガスを採取するフラッキングのプロセスと深くかかわっている。

 フラッキングについて専門家らは、水を不自然に注入ことで断層線上の圧力が変化し、ずれが生じて地震が発生する恐れがあると指摘している。

 USGSによると、人為的地震活動のリスクが高レベルの州は、高い方から順にオクラホマ(Oklahoma)州、カンザス(Kansas)州、テキサス(Texas)州、コロラド(Colorado)州、ニューメキシコ(New Mexico)州、アーカンソー(Arkansas)州。

 オクラホマ州とテキサス州は、人為的地震の影響を受ける人口が最も多い州だという。(c)AFP