【3月29日 AFP】米首都ワシントン(Washington D.C.)にある連邦議会のビジターセンターの保安検査場で28日、武装した男が警官の発砲を受けて負傷し、身柄を拘束された。連邦議会の建物は事件を受け一時閉鎖。ベルギーの首都ブリュッセル(Brussels)で先週起きた連続テロ事件を受けて警戒が高まる中、観光シーズン中の同市にはパニックが広がった。

 事件に怯えた訪問者や職員らはその場で身の安全を確保するよう指示されたが、ワシントン警察は「市民に対する喫緊の脅威はない」と発表し、建物の閉鎖命令は約1時間後に解除された。だが観光客が保安検査を受けガイドツアーの出発点となるビジターセンターは、捜査のため引き続き閉鎖された。

 警察によると、容疑者の男は検査場で「武器とみられるもの」を取り出し、警官に向けたという。男は病院に搬送され、現在手術を受けているが、詳しい容体は不明。事件はテロ関連ではないとみられている。事件ではその場に居合わせた女性が負傷し病院に搬送されたが、警察によると軽傷とみられる。

 議会は、キリスト教の祭日「イースター(Easter、復活祭)」に合わせ休会中だった。しかし桜が満開を迎えている同市は観光客でにぎわっており、特にイースター明けの1週間には首都への学校遠足も数多く予定されている。

 この日はイースターのイベントのため数千人が訪れていたホワイトハウス(White House)でも、何者かがフェンスによじ登ろうとしたとみられる騒ぎがあり、一時閉鎖措置が取られたが、すぐに解除された。(c)AFP