【3月25日 AFP】昨年11月のフランス・パリ(Paris)同時テロの実行犯とされ、ベルギーの首都ブリュッセル(Brussels)で逮捕されたサラ・アブデスラム(Salah Abdeslam)容疑者が、「できるだけ早い」フランスへの送還を希望していることが分かった。弁護士が24日、明らかにした。

 スベン・マリー(Sven Mary)弁護士はまた、22日にブリュッセルの空港と地下鉄で発生した連続テロについて、アブデスラム容疑者が事前に知っていたのかという質問に対し、「彼は知らなかった」と英語で答えた。

 昨年11月13日に発生し、130人が犠牲になったパリ同時テロの実行犯10人のうち、唯一の生存者とされる同容疑者は、4か月にわたり逃亡した末、ブリュッセルの事件のわずか4日前の18日に逮捕された。以降、ブリュッセルの北西に位置するブリュージュ(Bruges)にある刑務所で厳重な警備の下に勾留されている。

 マリー弁護士は当初、同容疑者がフランス当局の身柄引き渡し要求に抵抗する構えだと伝えていた。しかし24日、ブリュッセルの裁判所前で取材に応じた同弁護士は、容疑者の気が変わったと明かし、「サラ・アブデスラムは私に、できるだけ早くフランスに向かいたいと言った」と述べ、「捜査判事に対し、フランス送還に反対しないよう要請する」考えを示した。(c)AFP