【3月15日 AFP】米大統領選の共和党指名候補争いで首位を走る不動産王ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏は、自分には外交政策のアドバイザーが一人もいないことを認めている。

 にもかかわらず同氏は、自分が大統領に選出された際に取る外交政策について、過激な発言を連発している。以下に、同氏の外交政策に関する見解をまとめた。

■「チームはいない」

 トランプ氏は、大統領に選ばれた際、誰が外交政策を導いていくのか、また誰を国務長官に据えるつもりなのかについて、はっきりとした見解を全く示していない。

 3月8日、米MSNBCテレビのインタビューで、自身の外交チームの「大物」は誰かと聞かれたトランプ氏は、いったん「イエス、チームはある」と答え、その直後にこれを撤回。「チームはいない」と認め、「3人を優に超える人数には会ってきた。いずれ適当なときにチームを作る」と語った。

 米メディアによると、これまでに共和党の外交通110人が、トランプ氏の外交観は米国の安全保障を脅かすと訴える書簡に署名している。

■壁

 同氏は選挙戦の初めから、メキシコが麻薬密売人や犯罪者、レイプ犯を米国に送り込んでいると非難。不法移民の流入を防ぐため、彼はメキシコとの国境に巨大な壁を築くだけではなく、80億ドル(約9100億円)と推定されるその経費をメキシコ政府に払わせると主張している。

 メキシコのエンリケ・ペニャニエト(Enrique Pena Nieto)大統領は壁の経費を負担する「シナリオはない」と明言している。

■「イスラムは米国を憎悪」

 トランプ氏は昨年11月、2001年の米同時多発テロを受け米国在住のイスラム教徒が大喜びしていた写真を見たと主張した。だがこれは都市伝説にすぎず、事実ではなかったことがすでに確認されている。

 だが同氏は、イスラム教徒の入国禁止を呼びかけており、今月9日にはCNNテレビに対し、「イスラムは私たちを憎んでいる」とまで言い切った。