【3月12日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の化学兵器を使った攻撃で負傷し、治療を受けていたイラク人の3歳の少女が11日、入院先の病院で死亡した。医療情報筋や当局が明らかにした。

 イラク人権委員会(Iraqi Commission for Human Rights)のマスルール・アスワド(Masrour Aswad)氏は「女の子は、呼吸器合併症と腎不全で死亡した。タザ(Taza)でISが使用したマスタードガスが原因だ」と語った。

 今月9日にイラク北部キルクーク(Kirkuk)のすぐ南にあるタザが化学兵器による攻撃を受け、死亡したファティマ・サミル(Fatima Samir)ちゃんを含む数十人が病院に搬送されていた。

 アスワド氏は、ISが支配している近隣のバシール(Bashir)からタザに向けてマスタードガスが充填(じゅうてん)されたロケット弾が発射されたと語った。塩素ガスが使われたとする治安当局者もいる。

 ISは両方の化学兵器を過去に使用したことがある。情報当局は集めたサンプルの分析を進めている。これまでのところこの種の化学兵器攻撃による死傷者の数は少なく、軍事的な影響より心理的な影響の方が大きいとされている。(c)AFP