【3月10日 AFP】米グーグル(Google)が開発した囲碁の人工知能(AI)「アルファ碁(AlphaGo)」と、韓国のプロ囲碁棋士・李世ドル(イ・セドル、Lee Se-Dol)氏(33)の対戦の第2局が10日、ソウル(Seoul)市内のホテルで行われ、アルファ碁が初戦に続いて勝利を収めた。5番勝負のこのシリーズで、新しいタイプの「直感的」AIは衝撃的な世界デビューを果たした。

 9日の第1局で、現代における最強の棋士の一人とされる李氏を破り、世界を驚かせたアルファ碁は、4時間半に及んだ第2局も勝利したことで、勝利が偶然の産物ではないことを証明してみせた。

 李氏は対局後、記者団に対し「言葉がない。私の完敗だったことを認める」と語り、10日のアルファ碁には「弱点がなかった」と付け加えた。

 先だって李氏は、AIに対して自らの「大勝」を予見していた。だが対局後、李氏は青ざめた顔で「アルファ碁は今日、ほぼ完ぺきな囲碁を打った。(中略)全力を尽くして、少なくとも1勝はしたい」と述べた。

 残り3局は、12日、13日、15日に行われる。100万ドル(約1億1000万円)の賞金がかかったこのシリーズに勝利するためには、李氏は残り3局全てに勝たなければならない。

 プロの囲碁棋士で解説者の金成龍(Kim Seong-Ryong)氏によると、李氏はアルファ碁が序盤で「衝撃的なまでに型破りな」手を何度か打ったところで、苦戦し始めたようだったという。

 金氏はアルファ碁が打った型破りな手の一つについて、「もし韓国、日本、中国のプロ囲碁棋士1300人全員を調査しても、誰一人としてあの手を打たなかっただろう」と評した。(c)AFP