【3月8日 AFP】チュニジアのリビア国境に近接するベンガルデン(Ben Guerdane)が7日、イスラム過激派による襲撃を受けた。治安部隊が撃退したが、過激派の戦闘員35人と治安部隊側の11人、民間人7人の計53人が死亡。当局は、イスラム首長国の樹立が狙いだったとの見解を示している。

 政府によると、同日未明、ベンガルデンの軍兵舎や警察施設などが一斉に襲撃に遭った。ベジ・カイドセブシ(Beji Caid Essebsi)大統領は事件を「前例のない」イスラム過激派襲撃として非難。当局は国境を閉鎖し、夜間外出禁止令を出した。

 ハビブ・シド(Habib Essid)首相はイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」のアラビア語名の略称「ダーイシュ(Daesh)」を用い、今回の襲撃にはベンガルデンに「ダーイシュの首長国を樹立するという狙い」があったが、軍と治安部隊が襲撃犯らを阻止したと述べた。

 ISはリビアで勢力を拡大しており、チュニジア政府は、リビアでISに加わった多数の自国民が帰国して攻撃を実行することを防ぐべく奮闘している。ベンガルデン周辺では、今月2日にも武装集団と治安部隊の間で銃撃戦が起き、武装集団側の5人と民間人1人が死亡している。(c)AFP/Dhaou Maatoug