【3月4日 AFP】米カリフォルニア(California)州で、米大統領選の共和党候補指名争いで首位を走るドナルド・トランプ(Donald Trump)氏を「殺してもいい」とソーシャルサイト最大手のフェイスブック(Facebook)に書き込んだエジプト人留学生が、強制送還される可能性に直面している。

 この留学生は、ロサンゼルス(Los Angeles)の航空専門学校で学んでいたエジプト人のエマッドエルディン・エルサイード(Emadeldin Elsayed)容疑者(23)。先月12日、トランプ氏に対する殺害脅迫の疑いで米連邦捜査局(FBI)に校内で身柄を拘束された。

「僕はドナルド・トランプを殺して終身刑になってもかまわない。全世界が僕に感謝するだろう」。担当弁護士のハニ・ブシュラ(Hani Bushra)氏によると、エルサイード容疑者はフェイスブックの自身のページにこう書き込んでいた。

 エルサイード容疑者は刑事告訴はされていない。だが、移民担当判事は今週、航空専門学校が学生登録を抹消したことを理由に、同容疑者の学生ビザは無効だとして国外退去を命じた。さらに、逃亡の恐れがあるとの検察側の主張を認め、同容疑者の保釈も拒否した。

 ブシュラ氏は3日、AFPの取材に、エルサイード容疑者のフェイスブックへの書き込みは浅はかなもので、本人にトランプ氏を傷つける意図はなく、今は反省していると述べた。その上で、書き込みの内容について「むしろ、怒りの誇張表現だった。トランプ氏自身が使っている過激な言葉遣いと同じようなものだ。トランプ氏も、テロリスト相手に妻や子など家族の殺害も辞さないなどと言っている」と指摘した。

 ブシュラ氏によると、問題とされたエルサイード容疑者の書き込みは、トランプ氏の過激な反イスラム発言への反応として、この発言について書かれた記事と共に投稿されたものだという。エルサイード容疑者は、今は「できるだけ早く米国を去りたい」と考えているが、既に納入済みの学費4万1000ドル(約470万円)の払い戻しを受けたり車を売却したりするため国外退去の猶予を求めているという。(c)AFP