【2月23日 AFP】タイ人のチャリット・ポンピタックウィセート(Chalit Pongpitakwiset)さんは昔から、自分は男性だという気がしていた。そして25歳になった今、彼女は周りからもそう見てほしいと思っている。

 しかし、自分でホルモン投与を行っているアジアの多くのトランスジェンダー(性別越境者)と違い、チャリットさんは先進的なクリニックの助けを得ている。「私には医師がいる。自分でやっているわけではないので、危険ではない」

 ソフトウェア企業で働くチャリットさんは、女性として生まれたが、自分自身の性別の認識は男性だ。男性ホルモンのテストステロンの注射を初めて受けてから数日後、チャリットさんはタイの首都バンコク(Bangkok)中心部にある赤十字センター内に新設されたクリニック「タンジェリン(Tangerine)」に血液検査をするために戻ってきた。同クリニックは、アジア全体に同様の機関ができることを願って開設された試験的なプログラムだ。

 タイはトランスジェンダー人口が多く、姿もよく見かける。また性別適合手術のために世界中から人々が集まってくることでもタイは有名だ。しかし、国連(UN)によると900万人以上のトランスジェンダーがいるとされるアジア太平洋地域の他の国々と同様、患者に対する長期的なケアは十分ではない。そうした中で、タンジェリンは性別適合手術後の身体的、そして精神的なケアもしてくれる珍しいクリニックだ。

 タイではホルモンはインターネットや薬局で購入し、友人やインターネット上の情報を基に、自分で投与するのが一般的だ。中には認可を受けていない闇のクリニックで、技術の稚拙な注射や不正確なアドバイスを受けたり、早く結果を得たいがためにホルモンを過剰に投与してしまったりする例もある。