【2月17日 AFP】(更新)総合格闘技大会「UFC(Ultimate Fighting Championship)」の前バンタム級女王ロンダ・ラウジー(Ronda Rousey、米国)が16日、衝撃的なKO負けを喫したホーリー・ホルム(Holly Holm、米国)戦について口を開き、敗戦直後は、自殺という考えも頭をよぎったことを明かした。

 米トーク番組「エレンの部屋(The Ellen DeGeneres Show)」に出演したラウジーは、病院送りにされるほどの完敗を喫した後、失意の底に沈んでいたと話した。

「正直に言うと、治療室の隅に座ってじっと考えていたら、こんな考えが頭に浮かんだ。『これでダメなら、ほかに何ができるの?』って」

「じっとそこに座ったまま、自分を殺すことを考えていた。その瞬間はこんな気持ちだった。『私にはもう何もない。ほかに何ができるっていうの?格闘技がなかったら、誰も私のことなんか気にかけてくれない』」

 北京五輪の柔道女子70キロ級で銅メダルを獲得し、その後に総合格闘技へ転向したラウジーは、8歳のときに父親が自殺する経験をしている。ラウジーは、絶望から自分を救い出してくれたのは、UFCヘビー級の恋人トラビス・ブラウン(Travis Browne、米国)だったと話した。

「顔を上げたら彼が、トラビスがそこに立ってた。そして、彼を見上げていたらこんなふうに思えた。『彼の子どもを産まなくちゃ。まだ生きなきゃ』って」

 今ではラウジーも、いずれホルムとの再戦にこぎつけたいと望んでいる。元ボクシング世界女王のホルムは、ラウジーとは初対戦で、下馬評では圧倒的に不利だったが、文句のつけようがない完璧な勝利を収めた。(c)AFP