【2月17日 AFP】カナダのキャロリン・ベネット(Carolyn Bennett)先住民相は16日、遺族から他殺を疑う声が出ていたのにもかかわらず、自殺や事故死、自然死として処理された先住民女性の数が数千人に上る可能性があると指摘し、警察当局が適切な捜査を怠ったと非難した。

 カナダ連邦警察は、2014年に発表し昨年改訂した報告書で、過去30年間で殺害された先住民女性の数を1049人、行方不明者を172人としていた。だがベネット先住民相は、「悲劇の規模はさらに大きい」と指摘。ある女性人権団体は、実際の人数は4000人にも達するという見方を示している。

 死亡者や行方不明者についての公式調査開始に先立ち遺族らと面談したベネット先住民相は、多数の事件が自殺、または過失による薬剤の過量摂取、自然死として片付けられたと述べ、「一部の事件について遺族が再捜査を望んでいることに疑問の余地はない」との見解を表明した。

 ベネット先住民相は、後頭部を撃たれて死亡した女性や、両手を後ろ手に縛られた状態で死亡していた女性が、いずれも自殺として処理されていた例を挙げている。(c)AFP