【2月16日 AFP】(更新)ロシア反ドーピング機関(RUSADA)は15日、同機関で業務執行の責任者を務めながら、組織的ドーピング問題の渦中で職を辞したニキータ・カマエフ(Nikita Kamayev)氏が、急死したことを発表した。

 RUSADAは声明を出し、「RUSADAの元執行理事が52歳で急死した。ひどい心臓発作が死因とみられる」と述べている。

 国営タス通信(TASS)は14日、昨年12月に他の幹部と共に辞職したカマエフ氏が、スキーの最中に体調不良を訴えて急死したと報じ、元事務局長の「カマエフ氏が心臓に問題を抱えていたとは、過去に聞いたことがない。夫人が何かしら知っているかもしれない」というコメントを引用していた。

 世界反ドーピング機関(WADA)の独立委員会が、ロシアは日常的に検査の国際基準を無視し、ドーピング違反を犯した選手たちを競技に出場させていたという報告書を出したことで、RUSADAでは、カマエフ氏を含む幹部4人全員が辞任していた。

 この報告書を受け、RUSADAと、ドーピングの検査を行っていたモスクワ(Moscow)の研究所は、公認停止と閉鎖に追い込まれた。

 また、RUSADAの元幹部が死去するのはこの2週間で2件目で、2月3日にも、2008年から2010年までRUSADAを率いていたビャチェスラフ・シニョフ(Vyacheslav Sinev)氏が他界していた。

 死因は公表されていないが、地元メディアは、心臓発作によるものだと報じていた。(c)AFP