【2月14日 AFP】(訂正)南極大陸東部で、巨大な氷山が生息地近くの湾に漂着したことにより、約15万羽のアデリーペンギンが元の生息地に戻れなくなったとみられるとの研究結果が、科学誌「アンタークティック・サイエンス(Antarctic Science)」の最新号で発表された。

 この氷山は「B09B」と呼ばれるもので、その大きさは約100平方キロメートル。2010年12月に東南極(East Antarctica)のコモンウエルス湾(Commonwealth Bay)に漂着した。

 コモンウエルス湾のデニソン岬(Cape Denison)に生息するアデリーペンギンの数は2011年2月には約16万羽と推定されていたが、2013年12月までに推定1万羽まで減少したという。

 豪ニューサウスウェールズ大学(University of New South Wales)の気候変動研究センター(Climate Change Research Centre)とニュージーランドのウエストコーストペンギン基金(West Coast Penguin Trust)の研究者らは、氷山の漂着により、ペンギンは餌を見つけるために60キロ以上を歩かなければならなくなり、繁殖活動も妨げられたとし、「デニソン岬のペンギンの群れは、B09B氷山が移動するか、砕かれるかしない限り、20年以内に全滅する可能性がある」と述べている。(c)AFP