【2月11日 AFP】ゴルフのキャディーがラウンド中に身に着けるビブスをめぐり、米国男子ツアー(US PGA Tour)を相手取って起こしていた訴訟で、米サンフランシスコ(San Francisco)の地方裁判所は10日、キャディー側の訴えを退ける判決を下した。

 選手と共にツアーを回る168人のキャディーは昨年2月、歩く広告看板になることを強いられているとしてサンフランシスコで集団訴訟を起こしていた。ツアーと企業が年間5000万ドル(約56億円)にも上るスポンサー契約を結ぶなか、彼らはその収入がまったく分配されないことに不満を持っていた。

 しかし、この日の判決でヴィンス・チャブリア(Vince Chhabria)判事は「ツアーから不当な扱いを受けたという主張には実態があるが、ビブスに関する主張にはない」との結論を下した。

「キャディーのビブス着用義務は数十年前からの慣習であり、この仕事に就く者は、大会中にビブスを着用するのが仕事の一部だとあらかじめ承知しているはずである。以上の理由から、契約の解釈でツアーがキャディーにビブス着用を強要することはできないという原告の訴えには実態がない」

 さらに判事は、キャディー側のこれが反トラスト法と登録商標法違反にあたるという訴え、そしてツアーから契約を強制されたとの主張も退けた。

 判決を受けて、PGAツアーは声明を発表し、満足していると述べた。

「キャディーが起こした訴訟について、われわれに有利な判決が出たことを知り、裁判所の判断をうれしく思っています。この件はこれで終わりにして、キャディーのみなさんとともに正しい方向へ前進していけることを期待しています」

(c)AFP