【2月10日 AFP】(更新)ドイツ南部バート・アイブリング(Bad Aibling)近郊で9日に起きた列車正面衝突事故で、当局は列車に事故防止のための自動ブレーキシステムが装着されていたにもかかわらず惨事を防げなかった原因について調査を進めている。一方、同国のメディアは、人為的ミスが事故の原因だったと報じている。

 事故では、午前7時(日本時間同日午後3時)ごろ、高速で走行中だった列車が別の列車に突っ込み、車体の側面が大破した。これまでに10人の死亡が確認され、80人余りが重軽傷を負った。現在も1人が行方不明となっており、救助隊はまだ車内にいるとみて捜索活動を行っているが、警察は生存を絶望視している。

 新聞社グループ「RedaktionsNetzwerk DeutschlandRND)」は捜査関係者の話として、信号場の職員が、運行が遅れていた最初の列車を通過させるために手動で自動信号システムを切っていたと報じている。その後、単線ルートが2本に分かれる分岐点を最初の列車が通過する前に、反対側から進んできた2番目の列車が同じ単線ルートに進入した。

 独紙ビルト(Bild)によると、信号システムが手動で止められたことによって、自動ブレーキシステムの動作も停止したとみられる。地元警察はAFPの取材に対し、この報道についてのコメントを拒否した。現場からは列車のブラックボックス2つが回収されたが、当局は現在も3つ目の捜索を続けている。

 警察によると事故では10人が死亡し、18人が重傷、63人が軽傷を負った。地元バイエルン放送(Bayerischer Rundfunk)によると、死者には運転士2人と車掌2人が含まれている。(c)AFP/Ralf ISERMANN