【2月6日 AFP】第84回ル・マン24時間耐久レース(Le Mans 24 Hour Race 2016)で、フランス人実業家のフレデリック・ソーセ(Frederic Sausset)が、「人生に新しい意味を与える」ため、四肢切断者として初めてマシンを駆ることになった。

 48歳のソーセは、休暇中に致死の可能性がある珍しい細菌に感染し、2012年7月に両手足を失った。

 ソーセは5日、6月に開催される自動車の世界的レースであるル・マンにエントリー。自身の細菌性疾患については、「世界中でも年間40の症例しかなく、85パーセントが死に至る。毒性があり、一時間に12センチの割合で壊死した」と明かした。

 手術から4か月後、ル・マンに出場する夢が生まれたと話すソーセは、「人生に新しい意味を与える必要があった。自分の情熱を傾けられるものを探すのは自然なことだ」とすると、「モータースポーツこそ情熱にふさわしい。これまでマシンを操縦してレースに出場する機会はなかったが、子どものころから抱いていたものだ」とコメントした。

 ル・マンでは特別に改良されたモーガン・ニッサンLMP2(Morgan-Nissan LMP2)に乗り、切断された右腕に操作棒をつなげて操縦することになるソーセは、レースで完走を果たすという、2015年2月に初めてレース車両を運転したばかりの人間にとっては途方もない野望を抱いている。

 ソーセとチームを組むのは、助言者でありベテランドライバーのクリストフ・ティンソー(Christophe Tinseau)に決まり、3人目は今後発表されることになっている。

「これまでの道のりを眺めると、途方もない」と話すソーセは、すでにステアリングシステムの試運転を済ませているが、退院直後に思い描いていたのは、もっとカテゴリーの低いレースや、ブガッティ・サーキット(Bugatti Circuit)などを問題なく走行することだったという。

「私は少し人と違う形でありながら物事を成し遂げることに成功してきた者として、レースへの参戦を表明している」

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