【1月30日 AFP】米イリノイ(Illinois)州シカゴ(Chicago)で、昨年末、家庭内のもめ事を受けて出動した際に10代の黒人青年を射殺した警察官が、精神的な苦痛を受けたとして、自身が射殺した青年の家族を訴える意向であることがわかった。米メディアが29日、報じた。

 事件は昨年12月26日に発生。精神的な問題を抱えていた黒人のクイントニオ・ルグリアー(Quintonio LeGrier)さん(19)が 現場に到着した警官に射殺された。またこの事件では、ルグリアーさんの他に、隣人で5人の子の母親だったベティー・ジョーンズ(Bettie Jones)さん(55)が、玄関口に出たところ警官が発砲した弾に当たり死亡した。

 シカゴでは、あまりに安易に発砲しすぎだとして警察に非難が相次ぐ事件が続き、住民らの間に動揺が広がっている。

 市当局は、ジョーンズさんの死に対しては謝罪したが、ルグリアーさんの射殺については正当化している。

 ルグリアーさんの家族は、家庭内のもめ事に対して出動した警察が発砲すべき理由はないと繰り返し話しているが、警察は、ルグリアーさんが野球のバットを振り回して警官を威嚇したと述べている。

 さらにルグリアーさんの家族は、精神的に問題を抱える青年をめぐって助けが欲しいと頼んでいる時に、致命的暴力で対応する必要はないと主張している。

 ロバート・リアルモ(Robert Rialmo)警官の弁護士は、精神的な苦痛と暴行を受けたとして、同警官がルグリアーさんの家族に対し民事訴訟を起こす計画だと地元テレビWGN-TVに語った。(c)AFP